1.機材、小道具について(1)

a)  カメラの種類、特徴について

最初にここでは、基本的にデジタルカメラに特化しての説明にさせていただきます。
フィルムカメラについてはまったく、うといので・・・ゴメンナサイです。

デジタルカメラの種類に関しては大きく3タイプに分けられると思います。
まず、ふつうの携帯性にすぐれたスナップ写真を軸としたコンパクトタイプ。
次に、プロ、アマ問わず、使用している一眼レフタイプ。
そして、業務用が主軸で使用されている中判タイプ。

でも、業務用のタイプを使用している人はいないと思いますので、
ここでは、コンパクトタイプと一眼レフタイプの内容にて話を進めていきたいと思います。

コンパクトタイプといっても現在市販されているものは、かなり多様化しています。
持ち運びに特化した薄型のものが、かなり主流とはなっていますが、
他にも、全天候型のものや、一眼レフのようにいろんな撮影機能を持ったものがあります。

一眼レフタイプにも大きく2つあり、今までの通常カメラのようにレンズ交換できるものと、
レンズが本体と一体化になったものがあります。ちなみに後者をネオ一眼レフと呼ぶそうです。
★下に主なデジタルカメラ(以下デジカメと書きます)の種別をしました。★
※09.05.31改定

デジカメ A

画像はソニーサイバーショット DSC-T900


通常コンパクトデジカメといわれるタイプ
参考機種
ソニーサイバーショット DSC-T900
パナソニック LUMIX DMC-FX40
オリンパス μ9000
キャノン IXY DIGITAL 920IS
フジフィルム FinePix F60fd
など


デジカメ B

画像はキャノン PowerShot G10


コンパクトデジカメという分類には入るがかなり
メニューが豊富で本格的なもの

参考機種
キャノン PowerShot G10
パナソニック LUMIX DMC-LX3
ニコン COOLPIX P6000
など

ネオ一眼レフ

画像はフジフィルム FinePix S100FS


一眼レフタイプですがレンズ一体化のもの
参考機種
ソニーサイバーショット DSC-HX1
オリンパス CAMEDIA SP-590UZ
フジフィルム FinePix S100FS
カシオ HIGH SPEED EXILIM FH20
キャノン PowerShot SX1 IS
など

一眼レフ

画像はニコン D5000


一眼レフタイプ レンズ交換式
参考機種
ニコン D5000
キャノン EOS KISS X3
オリンパス E-30
ソニー α380
ペンタックス K20D
パナソニック LUMIX GH1
など


上記4種類のデジカメの特徴を表にまとめてみました。
デジカメA デジカメB ネオ一眼レフ 一眼レフ
価格 ×
大きさ・重さ ×
マニュアル撮影機能 ×
CCDの大きさ ×
レンズ
バックビューモニター撮影

※0905.31改定 最近はバックビューモニターが一眼レフについて普及しているので○に変更



各項目の詳細については下記に記しておきます。
表の項目を選べば、その項目詳細にジャンプします。

急いでいる方はこちら



価格
デジカメ A オールインワンパッケージですぐ使用可能。各社一番の売れ線のため、
新機種が出ても安価傾向になっています。
デジカメ B オールインワンパッケージは上記と同じですが、最新撮影機能が充実している分、
価格は割高です。
ネオ一眼レフ 基本的には、デジカメBと同じです。但し充電器やメモリーカードは別売りのケースが多いので
注意が必要です。
一眼レフ レンズが別売りなので、本体は安いものならデジカメBやネオ一眼レフと変わらなくても、
レンズ分の代金が更に必要になってきます。

ここ2、3年にデジタル一眼レフを持った人の平均レンズ所持数は2〜3本
(デジタルカメラ掲載情報)らしいので
安価な一眼レフと同じか2倍ほどの金額が別途必要なことになります。

また、メモリーも別売りです。



大きさ・重さ
デジカメ A とにかく、最近のコンパクトデジタルカメラは薄くて小さいです。そして軽量です。

とっても持ち運びには便利です。
デジカメ B 最新撮影機能が充実している分、レンズもよいものを使用しているためか若干、
上記よりは大きいし重いです。

その分、逆に構えたときのホールド性にすぐれています。
ネオ一眼レフ 小さい一眼レフとほぼ似た大きさです。携帯性には向いてはいませんが、
レンズを別に持ち歩く一眼レフと比べれば、苦にはならないと思います。
一眼レフ かなりズーム幅の広いズームレンズを付ければ、
小さい一眼レフならばネオ一眼レフと変わりませんが
そうでなければ、別途レンズを持ち運ばなければならなくなります。

また、大きいものならば、かなり重くなりますので携帯性には向いていません。

但し、構えたときのホールド感は、他のものとは一線を隔します。



撮影機能
デジカメ A 簡単に誰にでも撮影できることがコンセプトになっているためシーン撮影機能は充実しています。

但し、自分でシャッター速度や、
絞りなどを替えることのできる
マニュアル撮影機能はついていません。
デジカメ B 最新撮影機能は充実しています。シャッター速度や、絞りなどのマニュアル撮影機能など、
ほぼ一眼レフと同じ機能をもっています。
ネオ一眼レフ 最新撮影機能は充実しています。シャッター速度や、絞りなどのマニュアル撮影機能など、
ほぼ一眼レフと同じ機能をもっています。
一眼レフ ハイアマクラスと呼ばれるものまでは、マニュアル撮影の他に
シーン別フルオート撮影機能を持っています。
(キャノンEOS50D ニコンD90 など)

逆にそれ以上のクラスのものにはシーン別の撮影機能はありません。
マニュアル撮影のみとなります。

商品コンセプトが、全て自分で設定できる事を基本としているので必要ないのでしょう。



CCDの大きさ
デジカメ A コンパクト化されている分CCDも非常に小さいです。最新の技術によりCCDは小さくても画素数は
一眼レフと同じぐらいあり、画質もいいです。

但し、レンズ、CCDともに小さいので、一眼レフで撮った写真のように被写体以外のものを
ぼかすような効果のでる撮影は期待不可能です。
デジカメ B 上記のものよりは若干大きいサイズが使われていますが、
やはり一眼レフのCCDの大きさに比べたら
かなり小さく、その結果ボケの効果は非常に出しにくいです。
ネオ一眼レフ ほとんどデジカメBと変わりません。

一眼レフのCCDの大きさに比べたらかなり小さく、その結果ボケの効果は非常に出しにくいです。

どちらかというと、ネオ一眼レフは、一眼レフのレンズを一体化したものというより、
デジカメBに大型のよいレンズを付け、一眼レフ化したものと考えた方がいいと思います。
一眼レフ CCDの大きさはやはり他のものと比べて非常に大きく、よって撮像の受光量も非常に多いため、
信号処理加工も少なく済みますので、暗いところや色合いなど、より忠実に再現できます。

また、被写体だけにピントをとり、他の部分をぼかす効果も簡単にできます。
*CCDの画素数に関しては最近のカメラについては自分でプリントアウトして楽しむ分についても十分なものを
 どれも持っていますので、問題にする必要はないと思います。

 高画素になればなるほど大きなサイズのプリントアウトに対応できます。



☆☆☆ ボケ・ぼかしとはこんなものです ☆☆☆



簡単に説明すると、撮りたい被写体以外のものをぼかして、撮りたいものを浮き立たせる効果です。
特に人物撮影や小物撮影のときに有効です。



ボケとCCDの大きさと距離の関係
デジカメ A・B、ネオ一眼レフ
近接撮影


CCDが小さいため、撮像に余裕がない。
ちょうど、一眼レフで遠方を撮る場合と同じ状態。

一眼レフ
近接撮影


CCDが大きいため、撮像に余裕があり
ピントの合った範囲のみで他をぼかす事が可能。

デジカメ A・B、ネオ一眼レフ
遠方撮影


上記の内容は同じで更に左記と同じく広がるために
ボケは実質出ないです

一眼レフ
遠方撮影


ピントの合う範囲が距離に比例して広くなるため
ボケが出しにくくなります



レンズ
デジカメ A コンパクトに全てをまとめているため、レンズ自体の性能は大きさ対比でみればかなり優秀です。
しかし、絶対的な大きさがないため、光量の不足は否めません。

よって、増感技術によって対応しているため、暗い場所に基本的には弱いと思います。
デジカメ B F値でみるとかなり優秀なレンズを付けたものが多いですが、
大きさがやはり一眼レフの比ではないため、
暗い場所にてのフラッシュ無しでの撮影には不向きです。

CCDの感度の増強とソフト技術により、ISO3200位の優秀な値を持つカメラが出てきてはいますが、
画質自体は、やはり暗部に関してノイジー傾向になってしまいます。
ネオ一眼レフ レンズは一眼レフと同じ大きさのものを使用しているため光量に関しては十分あります。

また、高倍率のズームレンズを持っているため、フレーミングもしやすいと思います。

レンズの交換をしないため、ダストがカメラの中に入らないので、
一眼レフと比べたらメンテナンスフリーが特徴と、されています。
一眼レフ 目的に応じたレンズに取替えが可能ですが、ダストがカメラに入らないように、
取替え時に注意が必要です。

しかし、最近は、ダスト除去装置が付いたものが基本となってきたので、多少は楽になったようです。

一眼レフの場合、カメラ自体の性能よりは、レンズによって、
画質が大きく左右されるといわれています。
できるかぎり、買う前に口コミや掲示板を活用して、購入した方がいいと思います。

人形撮影(60cmクラス)だと、広角側で27-35mm位、通常50-90mm、
アップでマクロレンズの90-100mm位
(35mmカメラ時、EPS-Cサイズについては、1.5-1.6で割って換算して下さい。)
をよく使うと思います。

目的に応じた、どんなレンズがいいかは、この後の『撮影について』にてを参考にして下さい。


バックビューモニターの違い
デジカメ A レンズよりCCDに受けた撮像信号をそのまま、バックビューモニターで映すことが可能。

画面を見ながら、シャッターを押すことができます。

ただし、一体埋め込み型なので、モニターが見れない角度からの撮影には不向きです。

構造上、ファインダーと実質撮像は、ずれが生じます。
デジカメ B レンズよりCCDに受けた撮像信号をそのまま、バックビューモニターで映すことが可能。

画面を見ながら、シャッターを押すことができます。

また、バックビューモニター部が可動のものが多く、
ファインダーが見れない角度からの撮影に対応できます。

構造上、ファインダーと実質撮像は、ずれが生じます。
ネオ一眼レフ レンズよりCCDに受けた撮像信号をそのまま、バックビューモニターで映すことが可能。

画面を見ながら、シャッターを押すことができます。

また、バックビューモニター部が可動のものが多く、
ファインダーが見れない角度からの撮影に対応できます。

ファインダーにも実質撮像データが送られるため、ずれが生じません。(ビデオと同じ理屈です。)
一眼レフ 一眼レフはファインダーでレンズからの情報を見ることを基本としているため、
その構造上、CCDの手前のミラーによって撮像がファインダー側にいってしまうため
バックビューモニターを見ながらの撮影はできません。

しかし、最近は別の小型CCDを入れて可能にしたモデルが基本となってきています。
但し、一体埋め込み型が多く、モニターが見れない角度からの撮影には不向きです。

それでも、いくつかの機種はバックビューモニター部が可動(バリアングル)になっていて、
モニターが見れない角度からの撮影に対応できるものが出てきています。

参考例:オリンパス E-30、パナソニック GH1、ニコン D5000

また、パナソニックなどは、ファインダーに液晶モニターを採用しているので、
構造的には、ネオ一眼レフと同じになっています。



バックビューモニターの構造上の違い
デジカメA、B

ネオ一眼レフ

ライブビュー機能付き一眼レフ

通常一眼レフ



以上の内容から、

人形撮影は、スケールダウンした人物を撮影することと基本的には同じことなので
人物撮影より、より大きな『ボケ』が期待できて、更に接写ができるカメラが一番適しているということになります。

また、撮影アングルの撮り方も通常の人物撮影と違い小さいため、ファインダーで確認しながら撮るのは、
低い位置からだと容易ではないといえます。
そうなると、バックビューモニターをファインダーがわりに使用するメリットは非常に大きいです。

よって、今、市販化されているデジタルカメラで一番、人形撮影に適しているカメラは、
CCDも大きく、バックビューモニターも使え,、モニターが可動でもある

Nikon D5000ということになります。

注1※パナソニックやオリンパスは他のフルサイズ(35mm)、EPS-Cサイズ(約23mm)よりも小さく、
    フルサイズ面積比1/4程度しかありません。(マイクロフォーサーズと呼ばれてます)
    しかし、ボケについて本当はCCDの大きさと距離だけではなく、レンズの絞り(F値)にも左右されるので、
    人形を撮影する場合については、人を撮影する条件を基準とすると、被写体の距離、大きさ比は、
    比例して小さくなるので、ボケの効果が必用なF値は変わらないと考えられます。
    ですから逆に、CCDが小さい分F値の小さい(より明るい)レンズを使用すれば、問題は回避できると思います。
    ボケを生かした撮影をするには近接撮影の場合、フルサイズでF3.5〜F5.6位になりますので、
    (F値が小さすぎると被写界深度が浅くなりすぎて、ピントの合ってる部分が少なくなりすぎますから。)
    一眼レフの利点を生かし、F値2.0位のレンズを使用で同等の効力があると思います。

注2※上記CCDの大きさと距離の関係の内容はフルインチCCDを基準としてますので、
    フルサイズ(35mm)から考えるとコンパクトデジカメのCCDは面積比1/16位の小ささになります。
    また、ネオ一眼レフのソニー DSC-R1はCCDの大きさはフルインチCCDよりも大きいので、
    一眼レフの表の方を参考にして下さい。
    但し、一体型レンズの接写距離が50cmと遠いので、一眼レフのマクロ接写撮影に比べ不利です。

注3※ソニーのα380についても可変バックビューモニターとなっていますが、
    上下にしか動かすことができないため、より自由度の利くニコンのD5000にしています。


でも、実際は人形写真だけを撮るためにカメラを買う人は少ないとは思いますし、
わたしも違うカメラを持っています。

わたしが所持しているカメラは現在、キャノン EOS KISS DIGITAL と、パワーショット S50 の2台です。
あと、昨年末、EOS 5D MarkUを買いました。

もともと、S50で撮っていたのですが、やはり、暗いところやアップの撮影に弱く、
同じ条件下で一眼レフで撮ったとき、その画質のきれいさには感動しました。

しかし、それ以外の条件では、前述した『ボケ』を考えなければ、S50でも必要十分だと思います。
簡単にいえば、

カメラの内容よりは撮り方次第ということでしょう。

でも、付いていた方がいいな と思う機能をとりあえず挙げておきます。
これからカメラを買う方は、参考にしてください。

1.マニュアル撮影機能 (シャッター速度優先、絞り優先、プログラムAE)
2.ホワイトバランス設定
 (ふつう付いているとは思うんですけど・・・)
3.マクロモード
 (アップの写真を撮るために、より大きく撮れるものがいいです。)
4.マニュアルフォーカス
 (フォーカスしづらい状況で重宝します。)
5.露出変更におけるブラケット撮影機能
6.手振れ補正機能
 (意外と重宝します。)
7.可動バックビューモニター
8.顔認識機能 
(最近の新機種に搭載され始めています。)
9.ダストリダクション (レンズ取替えのある一眼レフ。)

こんなところでしょうか。

次は手ブレをなくす方法として、三脚やリモコンなどのまとめをしたいと思います。



★★★人形写真の迷宮 メニュー★★★
1.機材、小道具について
a) カメラの種類、特徴について コンパクトデジタルカメラ、NEO一眼レフカメラ、一眼レフカメラ 公開
b) 三脚、リモコンの利用 手ブレをなくす簡単な方法 公開
c) 背景のセッティングについて 市販品から手作りまで 公開
d) 小物の使用について スケール感、イメージ作り、 公開
2.撮影について
a) 記録方法について JPEGとRAW、ブラケット撮影、ピクチャースタイル 公開
b) 撮影条件について 日中の自然光、室内蛍光灯、スポット、瞬間光(フラッシュ) 公開
c) 撮影方法について ズームと広角、マクロなどレンズ選択や設定、撮影アングル 公開
3.データ処理、加工について
a) 簡単な後処理について 明るさ、色合い、コントラスト、トリミング 製作中
b) 視覚効果のある処理について ソフトフォーカス、縁取り、セピア 製作中
★★★人形写真の迷宮 表題及びリンク集★★★

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